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はじめに
「実習、うまくできるか不安…」
そんな気持ち、すごくよくわかります。
私も学生のころ、緊張で前日眠れませんでした。
この記事では、実習前に知っておきたい「心構え・準備・持ち物・質問」について、わかりやすくお伝えします。
あなたが少しでも安心して実習に臨めるよう、自分の体験を踏まえ、心をこめてまとめました。
実習前の心構え
1. うまくいかなくても大丈夫
実習が始まると、「上手くやらなきゃ」と気持ちが焦ってしまうことがありますよね。
でも、焦らなくて大丈夫です。
あなたの指導者も初めから完璧は求めていません。
事前準備をしてきても、実際の現場ではやり方が違う・教科書通りにはいかないことがあります。
それを、わからないまま自己流にやってしまうと事故につながったり、「この学生さんには色々挑戦させられないな」と判断されてしまう可能性があります。
そうならないための3ステップを紹介!
1.わからないことはすぐに指導者に質問する
2.自己判断せず「自分はこう思ったのですがどうですか?」と指導者の考えも聞く
3.何か失敗してしまったら隠さず、すぐに指導者に報告をする
焦らなくても大丈夫。
指導者ときちんと意思疎通を図っておくことで、実習の間、自分がどのように過ごせば良いかが見えてきます。
まずは、指導者となんでも話してみること。
失敗しても、それはダメなことではありません。
次に自分がどうしたら良いかの判断材料として、成長に生かしてください。
2. 積極的にフィードバックをもらおう
現場に出ている指導者からのフィードバックはとても貴重です。
学校の先生とは違い、最初は少し厳しい指導もあるかもしれません。
指導者は学生と接する機会があまりなく、この学生にはどのように伝えたら良いかを最初は模索しています。
学生から小さなことでも質問されると、「一緒にリハビリのことを考えてくれそうな学生だな」と感じ、指導者も最初の仮面が剥がれてくることがあります。
フィードバックは実習中のコミュニケーションの場でもあります。
小さなことでも疑問に思うことは聞いてみましょう。
そして、指導者とたくさん意見を交わして、自分のリハビリの引き出しを増やしてみてください。
フィードバックで何を聞いたらいい?
フィードバックが重要な場だということはわかっているけど、何を話したらいいか具体的にはよくわからないですよね。
特に、指導者から「今日はどうだった?何か質問ある?」なんて聞かれると「えっと・・・質問と言われてもなぁ」と困ってしまう場面はありませんか?
ここではフィードバックで質問すること・話してみると良いことを7個紹介します。
1.この場面の対応は適切でしたか?
→患者さんとの関わり方や声かけなど、具体的な場面での評価をもらいましょう。
2.(評価や介入で)もっとよくするには、何を変えるといいですか?
→次に生かすための“具体的な行動”が見つかります。
3.この場面の対応は適切でしたか?
→患者さんとの関わり方や声かけなど、具体的な場面での評価をもらいましょう。
4.同じ場面でOTR(指導者)ならどう対応しますか?
→プロの視点や選択肢を知ることで、自分の引き出しを増やせます。
5.もっと情報を集めるなら、どんな点を見たらいいですか?
→観察力を高めるヒントがもらえます。
6.今の段階で意識して練習しておくべきことは何ですか?
→限られた実習期間の中で優先順位をつけて学べます。
7.患者さんは自分の対応をどう感じていたと思いますか?
→第三者の視点を通して、患者理解を深めることができます。
などなど、自分の評価や介入に対して指導者からの目線で見るとどうなのか?第三者の目線としてみた時どう感じたか?といった質問をしてみましょう。
きっと実習そのものに深みが出るはずです。
3. 柔軟な姿勢で学ぶことが大切
実習ではさまざまな病院や施設へ行き、多種多様な作業療法を学ぶと思います。
「一度学んだことだけが全て」と捉えずに、新しい知識を吸収し、自分の作業療法の引き出しを増やしていってください。
患者さん・利用者さんが100人いれば100通りの作業療法が存在します。
その人らしさを作業療法で表現できるよう、柔軟な姿勢でたくさんの作業療法に触れてみてくださいね。
実習前に準備しておくべきこと
1. 実習施設の事前調査
実習先の施設・病院の特徴、方針、作りや対象疾患について事前に調べておきましょう。
そうすることで、
・どのような疾患を重点的に事前学習しておいたら良いかがわかる
・施設や病院の特徴や方針を知っておくと、どのような作業療法を提供しているのかイメージが湧く
といった、事前準備に役立てられます。
2. 自己紹介の準備
初対面の人たちと接する機会が多い実習では、自己紹介をしっかりと準備しておくと良い印象を与えられます。
簡潔に、でも自分らしい言葉で伝えましょう。
自己紹介をする相手は
・セラピスト
・患者、利用者さん
・(稀に)看護師、先生、MSW、介護士
に、挨拶・自己紹介をすることが考えられます。
特に患者・利用者さんには「名前の漢字はどう書くの?」なんて聞かれることもあります。
すぐに分かりやすく答えられるように「(例)山田太郎です。太いに朗らかと書きます。」
と事前に準備をしておくと、会話がスムーズ進むきっかけにもなりますよ。
3. 実習日程と必要な書類の確認
実習が始まる前に、スケジュールや持ち物、提出物の確認を行い、漏れがないようにしましょう。
特に持ち物は実習先によって異なることがあるので、事前に電話連絡をして確認しておくことをオススメします。
電話連絡は、お昼休み(大体13時前後は電話に出やすい)か臨床後(17:30頃が電話に出やすい)がオススメです。
また、提出物に関しては事前に「日付・学校名・自分の名前・必要であれば印鑑」などあらかじめ記入できるところはしておくと、セラピストの時間を多く取らずスムーズに書類関係のやり取りができるので、記入しておきましょう。
実習で役立つ持ち物リスト
1. ノート・ペン・印鑑
これは基本ですが、実習中に指導を受けた内容をメモすることはとても重要です。
またペンはボールペンを使用するようにしましょう。
シャーペンや鉛筆は芯が折れてしまったり、スムーズに記録できないので推奨しません。
また、ケースノートなどの実習記録は基本的にボールペンまたは、PC(ワード)で記入します。
修正箇所は二重線を引いて、修正印を押すことが多いです。
どのように文章を書くのか、実習先に確認しましょう。
2.評価用紙をまとめたもの
実習先では、評価用紙を自分で用意しなければいけないところもあります。
あらかじめ、学校の先生等に相談しよく使いそうな評価用紙をまとめてファイルにしておくと、すぐに使えて便利です。
3.実習先で実施しそうな評価方法をまとめたもの
事前に実習先について調べ、どのような疾患が多いのかわかったら、どのような評価が必要になってくるか考え、評価法のカンペを作っておくと便利です。
小さめのメモに教科書の評価方法のページを縮小コピーして貼り付けたり、休み時間に確認できるようにA4ファイルなどに評価方法をコピーしたものをファイリングしておくと、教科書を持っていく手間がなく便利です。
4.評価方法まとめが面倒なら、この本オススメ!
OT評価ポケット手帳(第2版)/濱口豊太 編
実習中に役立つ評価法がコンパクトにまとまったポケットサイズの1冊。
「何をどう見ればいいかわからない…」というときに、すぐ開けて安心できるお守り的存在です。
実習でよくある質問とその答え
1. 「どこまで質問していいか迷います…」
→ わからないことは、素直にどんどん聞いてOK。
考えずに聞くのはNGだけど、「自分なりに考えてみたんですけど…」という前置きがあると◎。
2. 「患者さんと何を話したらいいかわかりません」
→ まずは「うなずく」「相手の言葉を繰り返す」などの“受け身”の姿勢からでもOK。
少しずつでいいですよ。
この記事に患者さんとの話し方について書いているので読んでみてください!
3. 「記録の書き方が難しいです…」
→ 最初は「事実(何があったか)」+「自分の視点(どう感じたか)」を意識すればOK。
4. 「何を優先的に学べばいいですか?」
→ まずは「観察する力」と「報告する力」。
目の前の患者・利用者さんに必要な知識を学ぶことを積み重ねていきましょう。
どのような疾患か、考えられる必要な評価は何かなど一つずつ解決していくと、必然と何から学べば良いか見えてきます。
5. 「自分に向いていない気がして不安です」
→ 実習中にそう思うのは“あるある”。
指導者も最初から上手くできた人なんていません。
完璧を求めすぎず、「できたこと」をひとつずつ積み重ねていきましょう。
焦らなくて大丈夫です。
6. 「質問したいけど、忙しそうで声をかけづらいです」
→ タイミングを見て「今、お話大丈夫ですか?」と聞いてみて。
話しかけるのが苦手な実習生は、最初に「お昼休み前や臨床後のまとまった時間に質問しても良いですか?」と指導者と約束してしまうのも手です。
すぐに報告が必要なこと(自身の体調が悪い、患者・利用者の様子が変)は迷わず声をかけてください。
まとめ
実習前は不安があって当たり前です。
でも、その不安は「一生懸命になろうとしている証拠」。
今回ご紹介した心構えや準備を参考にして、少しずつ自分のペースで前に進んでください。
大切なのは「完璧」ではなく「成長する姿勢」です。
実習の毎日が、あなたにとって大きな一歩になりますように。
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