「患者さんと何を話せばいいの?」実習で会話に困ったときのヒント3つ

介護・リハビリ

作業療法士の実習で多くの学生がぶつかる壁のひとつが「患者さんとの会話」。 「何を話せばいいかわからない…」「話が広がらず沈黙が気まずい…」そんな悩みを持つ方に向けて、実際の経験をもとに“すぐに使える会話のコツ”を3つご紹介します。


ヒント① 沈黙が怖くても、まずは「衣・食・住」の話から始めてみよう

実習中、指導者が席を外し、患者さんと二人きりになったとき。

あなたもきっと、どう話しかければいいか分からず戸惑った経験があるのでは?

そんな時に役立つのが、「衣・食・住」に関する話題です。

・「今日寒いですね。着ている上着の色ステキですね。」
・「お昼ごはん食べられましたか?好きなメニューありますか?」
・「お住まいはどちらですか?」

身近な生活の話題は、その人の生活を知り、その人らしさをリハビリで表現していくためにとても大事なは話になります。

また、患者さん・利用者さんと信頼関係を築く会話のきっかけとしても最適です。


ヒント② オウム返しは会話を広げる魔法のテクニック

「今日天気がいいね」と話しかけられたら、「ほんとですね、晴れていて気持ちいいですよね」と返す。

これだけで会話が“続く”ようになります。

オウム返しのコツ: ・相手の言葉を繰り返す(「〇〇なんですね」)

         ・相づちを加えて、話を広げる(「〇〇なんですね。どの辺が好きなんですか?」)

このテクニックを使うと、患者さん自身がどんどん話してくれます。

話すことに困ったら、ぜひ思い出してみてくださいね。


ヒント③ 「話さなきゃ!」じゃなくて「この人を知りたい」から始めよう

実習中は「ちゃんと話さなきゃ」と思いがちですが、大切なのは“相手を知ろうとする姿勢”。

・どんな場所で育ったのかな?
・今はどんな生活をしているのかな?
・好きなこと、苦手なことは?

こうした相手のことを知ろうとする問いを繰り返すと、自然と会話は生まれてきます。

さらに、自分のことも少し話してみると、ぐっと距離が縮まります。

例: 患者さん「私は〇〇出身なんだよ」 あなた「私の父も〇〇出身です!△△が有名ですよね」

相手も「あなたに興味を持ってもらえてる」と感じ、心を開いてくれやすくなります。


実習での会話力を高めるには?

この記事を読んで「なるほど!」と思ったあなたへ。

さらに行動に移すためのステップをまとめました。

会話に困らない自分になる3ステップ

  1. 今日から使える「衣・食・住」の話題を3つ用意しておく
  2. 患者さんの発言をオウム返しで返す練習をする
  3. 自分のことを一言伝える癖をつける(例:「私も〇〇好きなんです!」)

実習で経験値を積むコツ

・お話し好きな患者さんと積極的に関わってみる
 →まずは相手からよく話をしてくれる人と、会話に慣れてみることも大切。
  聞かれたことに答えられるようになる、自分も一言聞き返せるようになる
  小さな会話の成功を積み重ねていきましょう!

・うまくいった会話をメモに残す
 →実習や臨床中、「今日は会話に困らなかったな」という場面があれば、何を話したのかを思い出してみましょう。
  特に、自分がどんな返事をしたのか、どのような質問をしたのか覚えておくと、また同じ人に関わるときの会話のポイントになります。


・指導者の会話を観察して引き出しを増やす
 →会話が上手な人をお手本にすることも、自分が会話上手になるコツです。
  相手が話したことのどこを広げているのかな?、無口な人にはどのように接しているのかな?
  など、自分がうまく会話できないなと思っている患者さん・利用者さんは他のスタッフとどのように接しているのか観察することも勉強になります。


最後に

実習での会話は、最初は誰でもうまくいきません。 でも、少しずつ経験を積み、コツを知っていけば、患者さんとの対話はどんどん楽しくなっていきます。

焦らなくて大丈夫。まずは「話しやすい患者さん」とのやりとりから始めてみましょう。

あなたのその一言が、患者さんの安心やリハビリへの意欲につながるかもしれません。

この記事が、実習や初めての臨床に挑むあなたの背中を少しでも押せたら嬉しいです!

関連記事

こちらも合わせて読んでみてください。