子どもの発達に合わせた遊びのヒント

育児

チャイルドコーチング視点で考える、年齢別の関わり方と楽しみ方


「何して遊べばいい?」に悩むあなたへ

「うちの子、最近すぐ飽きちゃって…」
「ちゃんと発達しているのか不安になる」
「どんなふうに遊んであげたらいいんだろう?」

子どもと向き合う中で、こんなふうに悩むママやパパは少なくありません。
私自身、作業療法士として子どもの発達に関わりながら、母としても日々悩みながら子育てをしています。

特に、乳幼児期〜未就学児の時期は、**遊びそのものが“発達の土台”**をつくる大切な時間。
けれど、「年齢に合った遊び」や「子どもに合った関わり方」は、分かりづらいものでもあります。

そこで今回は、チャイルドコーチングの視点を交えながら、
子どもの発達に合わせた“遊びのヒント”を年齢別にお届けします。


年齢別・遊びと関わり方のヒント


0〜1歳:五感で感じる「ふれあい遊び」

この時期の赤ちゃんは、見る・聞く・触れるといった五感を通じた刺激から学んでいます。
「遊ぶ」というよりも、「一緒に感じる」ことが大切。

遊びの例:

  • ガラガラなど音の出るおもちゃ
  • 手足をやさしくマッサージ(ベビーマッサージ)
  • 顔の表情で「いないいないばあ」
  • タオルや布を使って感触遊び

関わり方のポイント:

  • 声かけは、ゆっくり・優しく・シンプルに
  • アイコンタクトをとりながら「今ここ」に一緒にいる感覚を大事に
  • 泣いても慌てず、「受け止める姿勢」が何よりの安心材料に

赤ちゃんにとって遊びとは、「安心できる人と心地よくつながる体験」。
そのつながりが、のちの自己肯定感の芽になります。


1〜2歳:くり返しが楽しい「探索遊び」

「自分でやりたい!」が芽生えてくるこの時期は、
くり返しや試行錯誤を通じて、世界を理解しようとしています。

遊びの例:

  • 積み木・カップ重ね・型はめ
  • 水遊び・砂遊び・スプーンでまぜまぜ
  • ままごと(模倣あそび)
  • ボールを転がす・投げる

関わり方のポイント:

  • 大人がやって見せることで、子どもが「まねっこ」しやすくなる
  • 遊びを急がせない。「できたね!」よりも「面白いね」と共感を
  • 危険がなければ、多少の失敗は見守る勇気も大切

子どもにとって「失敗」ではなく、「発見」。
安心してチャレンジできる土台が、学びの意欲を育てます。


3〜4歳:イメージが広がる「ごっこ遊び」

この頃から、想像の世界で遊ぶ力がぐんと育っていきます。
お店屋さんごっこやヒーローごっこなど、自分以外の役を演じることで、心の成長にもつながっていきます。

遊びの例:

  • ごっこ遊び(店員さん、お医者さんなど)
  • 絵本の読み聞かせと、登場人物になりきって遊ぶ
  • 粘土・ブロック・お絵かき
  • リズム遊び・体を使った遊び

関わり方のポイント:

  • 子どもの世界に一緒に入り込むことが大切(大人も役になりきってOK!)
  • 子どもの言葉や行動に「それいいね!」と反応を返す
  • 「○○したい」と言われたときは、できるだけ尊重する姿勢

ごっこ遊びは、「気持ちを表現する練習」。
思いを言葉にしたり、人の気持ちを想像したりする力が育っていきます。


5〜6歳:自分の世界を広げる「創造と協同の遊び」

この時期は、「ルールのある遊び」や「一緒にやる楽しさ」を知っていく時期。
また、「自分で考えて工夫する」ことにも喜びを感じ始めます。

遊びの例:

  • すごろく・かるた・簡単なボードゲーム
  • 空き箱や紙を使った工作
  • 鬼ごっこ・かけっこ・ルールのある運動遊び
  • お手伝い遊び(料理・洗濯物たたみ)

関わり方のポイント:

  • 「どうしたらいいと思う?」と問いかける関わりが◎
  • うまくいかないときには、「一緒に考えようね」と寄り添う
  • 友だちとの関わりでトラブルがあっても、正解より気持ちに共感を

この時期の子どもは、自分なりの「やってみたい!」を強く持っています。
親が「こうすべき」と決めすぎず、子どものアイデアを尊重する姿勢が大切です。


チャイルドコーチングで大切にしていること

ここで少しだけ、チャイルドコーチングの考え方をご紹介します。


「子どもを育てる」のではなく、「子どもが育つ環境を整える」

チャイルドコーチングでは、
「どう関われば、子ども自身が“自分らしく”育っていけるか」
という視点をとても大切にします。

そのために大人ができることは、以下の3つ。

① 受け止める

どんな感情も、「そう思ったんだね」とまるごと受け止める姿勢

② 待つ

今すぐ答えを出そうとせず、子どものペースに寄り添うこと

③ 信じる

「きっと大丈夫」「この子には力がある」と信じて見守ること

この3つを意識することで、
子どもの遊びや日々のやりとりの中に、たくさんの成長の芽が見えてくるはずです。


おわりに:遊びの中に、子どもの未来がある

「ちゃんと遊べているかな?」
「これで発達に合っているのかな?」

そんなふうに悩む日があるかもしれません。
でも、子どもは「今この瞬間」を遊びながら、全身で生きています。
大切なのは、「何をするか」だけでなく、「誰とどんなふうに過ごすか」

あなたの声やまなざし、笑い声、隣に座ってくれるその安心感こそが、
子どもの心と体を育てていく大きな土台になります。

だからこそ、今日もあなたのそばで遊ぶその時間を、大切にしてあげてくださいね。

参考資料

formie チャイルドコーチング教材
いろね自身の臨床・育児経験より
子どもの発達段階ごとの特徴と重視すべき課題:文部科学省

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