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前回の記事で、子どもの「気になる言動」は、実は「助けて」のメッセージだってお伝えしました。
→【記事2】子どもからのSOS見逃してない?発達障害の『気づき』チェックリスト
「気づき」ができたら、次は具体的な工夫を考える段階ですね。
でも、「何をどう工夫すればいいか分からない」って思いますよね。私もそうでした。
今日は、4ステップで、誰でもできる「生活の工夫」の見つけ方をお伝えします。
朝の支度の実例付きなので、明日からすぐ試せますよ!
「生活の工夫」って何?
「生活の工夫」っていうのは、その子の特性に合わせた、オーダーメイドの工夫のことです。
前にお伝えした「メガネの例え」、覚えてますか?
視力の低い子に、「よく見て!」って叱っても、見えるようにはならないですよね。
でも、その子の視力に合うメガネがあれば、今まで見えなかったものがはっきり見えて、生活もぐっと楽になります。
発達障害の「生活の工夫」も同じなんです。
その子の特性を「直そう」とするんじゃなくて、苦手を補う工夫をする。
そうすると:
- 子どもは自分に自信がもてる
- 本来もってる力を発揮しやすくなる
- 毎日を楽しく過ごせる
こんな素敵なサイクルが生まれるんですよ。
4ステップで工夫を見つける
その子に合う「生活の工夫」は、4つのステップで見つけていきます。
難しく考えなくて大丈夫。一緒に見ていきましょう。
ステップ1:気づき
子どもが、うまくできないこと、つまずいてることに気づきます。
ママには、「気になる言動」として心に残ると思います。
例:
- 朝、いつまでもパジャマを着替えない
- 忘れ物が多い
- お友達とトラブルになる
ステップ2:仮の理解
その子の気持ちを完全に理解するのは、正直難しいです。
でも、「もしかしたら、こういう理由なのかな?」って想像してみる。
それだけで、その子の気持ちに一歩近づけるんです。
例(朝、パジャマを着替えない子の場合):
- このパジャマの着心地が好きなのかな…
- 次に何をすればいいか分からないのかな…
- テレビに気をとられてるのかな…
いろんな可能性を考えてみましょう。
ステップ3:仮説
「仮の理解」の中から、「これが一番ありそうかも」っていうものを選びます。
例:
- 「朝、出かけるまでにすることが、よく分かってないのかも…」
この仮説が正しいかどうかは、まだ分かりません。
でも大丈夫。とりあえず、やってみるんです。
ステップ4:対応(生活の工夫)
「仮説」に沿って、具体的な工夫を試してみます。
例:
- 言葉がけのタイミングを変えてみる
- 絵カードをつくってみる
- スケジュールを見える化してみる
最初から完璧じゃなくていいんです。
手探りで、試行錯誤で。それでいいんですよ。
うまくいかなかったら、別の工夫を試してみればいいだけです。
実例:朝、パジャマを着替えない子の場合
じゃあ、実際に4ステップを使って考えてみましょう。
ステップ1:気づき
朝、いつまでもパジャマのまま。
「早く着替えて!」って何度言っても動かない。
毎朝これで、ママもイライラ…。
ステップ2:仮の理解
どうして着替えないのかな?って想像してみます。
- パジャマの着心地が好きなのかな?
- 次に何をするか分からないのかな?
- テレビに夢中になってるのかな?
- 着替えること自体が苦手なのかな?
- 服のタグがチクチクして嫌なのかな?
いろんな理由が考えられますね。
ステップ3:仮説
いくつかの「仮の理解」の中から、一番ありそうなものを選びます。
例えば:
- 「朝、出かけるまでに何をすればいいか、よく分かってないのかも」
この仮説に至った理由は:
- テレビを消すと着替えることもあるから、テレビだけが原因じゃなさそう
- パジャマ以外の服も嫌がらないから、着心地の問題じゃなさそう
- 「次は何するの?」ってよく聞いてくる
こんな観察結果からです。
ステップ4:対応(生活の工夫)
仮説に沿って、具体的な工夫を試してみます。
工夫1:言葉がけを変えてみる
- 「着替えて」じゃなくて、「パジャマを脱ごうね」「次は下着を着るよ」って、一つずつ伝える
工夫2:絵カードで見える化する
- 朝のやることリストを、絵で作る
- 「パジャマを脱ぐ」→「下着を着る」→「服を着る」→「朝ごはん」
工夫3:スケジュールボードを使う
- マグネットで貼り替えられるボードで、「できた!」を見える化
「朝のやることリスト」を絵カードで作ってあげると、子どもが自分で動けるようになるんです。
市販の絵カードなら、すぐに使えて便利ですよ。
マグネット式なら貼り替えも簡単で、「できた!」の達成感も味わえます。
絵で見ると理解しやすい子は多いので、ぜひ試してみてくださいね。
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工夫が続かないときは?
最初の工夫で、すぐにうまくいかないこともあります。
それって、全然普通のことなんです。
そんなときは:
仮説が違ったかも?
別の「仮の理解」から、新しい仮説を立ててみましょう。
例:
- 実は服のタグがチクチクして嫌だったのかも…
- 時間の感覚がなくて、急がなきゃって思ってないのかも…
しばらく続けてみる
工夫は、すぐに効果が出ないこともあります。
1〜2週間くらい続けてみて、様子を見てみてください。
完璧じゃなくていい
これ、すごく大事です。
毎日完璧にできなくても大丈夫。
少しずつ、ちょっとずつ、できることが増えていけばOKなんです。
自分を責めないでくださいね。
「あと5分で出発」が伝わらない子には、タイムタイマーがおすすめです。
残り時間が赤い部分で見えるから、子どもにも分かりやすいんですよ。
「早くして!」って言わなくても、視覚的に時間の流れが理解できます。
ママの「早く!」が減るだけで、朝のストレスがぐっと減りますよ。
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着替えが嫌な理由が「感覚過敏」のこともあります
もし、絵カードやタイマーを使っても着替えを嫌がる場合、「服のタグがチクチクする」「縫い目が気になる」っていう感覚過敏が原因かもしれません。
発達障害の特性をもつ子どもの中には、触覚がすごく敏感な子がいるんです。
私たちが全然気にならないような、服のタグや縫い目が、その子にとっては「痛い」「不快」って感じることがあるんですよね。
そんなときは、服を変えてみるのも一つの手です。
タグレス・縫い目フラットの下着に変えただけで、着替えがスムーズになったっていう声、すごく多いんです。
肌に優しい素材で、ストレスなく着られる服は、子どもの「嫌だ!」を減らしてくれます。
朝のバトルが減るだけで、親子ともに心が軽くなりますよ。
試してみる価値、ありますよ。
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他の場面でも応用できます
この4ステップって、朝の支度だけじゃなくて、いろんな場面で使えるんです。
例:
- 食事:偏食、食べるのが遅い→絵カードで「あと3口」を見える化
- 歯磨き:嫌がる→タイマーで「30秒だけ」を視覚化
- 宿題:なかなか始めない→やることリストで順番を明確に
- お友達とのトラブル:叩いちゃう→「嫌なときの言い方」を絵カードで
大切なのは、その子に合う工夫を見つけること。
百人いれば百通りの工夫があります。
焦らなくて大丈夫。試行錯誤しながら、その子にぴったりの「生活の工夫」を見つけていきましょう。
まとめ
- 「生活の工夫」は、その子に合わせたオーダーメイドの工夫
- 「気づき→仮の理解→仮説→対応」の4ステップで見つける
- 朝の支度の例:絵カード、タイマー、感覚過敏対応服などを活用
- すぐに効果が出なくても、試行錯誤でOK
- 完璧じゃなくていい。少しずつで大丈夫
4ステップで、その子に合う工夫を見つけてみてください。
試行錯誤の中で、ちょっとずつできることが増えていく。
それが子どもの自信になります。そして、ママの心も軽くなります。
次の記事では、子どもの力を引き出す環境づくりを紹介しますね。
成功体験を増やして、その子らしさを活かすヒントが満載です!
→【記事4】成功体験が子どもを変える|発達障害の特性を活かす環境づくり
※ここに記事4へのリンクを挿入
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